物置

駅メモで遊んでいるのでそれ系のことをメインで書く予定です

青春18きっぷ限界遠征の旅・紀勢本線編 Part. 0

乗り鉄」という言葉がある。
読んで字の如く、鉄に乗る、すなわち鉄道に乗ることを趣味とする人のことであり、いまや撮り鉄にも負けず劣らずな勢いで認知度を広めている。
私も乗り鉄の端くれだが、乗り鉄と言っても様々な人種がいると思う。純粋に車窓を楽しむ人、移動手段の一環として鉄道が好きな人、はたまた撮り鉄と兼任している人、位置情報ゲームを楽しむ人、エトセトラ、エトセトラ。
そんな乗り鉄たちが掲げる最終目標として、「全線乗りつぶし」というものがあるのではないだろうか。日本全国の電車に完乗する、というものである。なかなか気の遠くなる目標であるが、乗り鉄の者の間では、これを達成したいと思っている人間は決して少ない数ではないと思われるし、実際に王手を掛けている人、達成してしまった人も数多くいることだろうと思われる。

さて、そんな乗りつぶしだが、鉄道に乗るわけなので、当然のことながら運賃が必要である。狭い日本、とキャッチコピーは言うが、それでも決して一週間ですべて回れるほど日本は狭くない。そしてその狭くない日本の国内を次々電車で移動していく、となると、当然潤沢な予算が必要である。なかなかできることではない。
しかし、乗り放題のいわゆるフリー切符があれば話は別だ。長距離の乗り鉄だとしても、比較的安上がりで行うことが出来る。そして、全国に様々な種類があるフリー切符の中でも最も有名だと思われるのが、JRが発行している「青春18きっぷ」である。11850円で5日間JRの普通車および快速列車に乗り放題、という切符だ。つまり、一日当たりたったの2370円で、JRの路線が走っているところならどこまでも行ける、というわけだ。(現在は消費増税により、値上がりしている。これは今夏遠征時の価格である)これはとんでもないことである。東京から沼津までの料金とほぼ同額で、東京から大阪にだって行けるというわけだ。
ただし、そんな青春18きっぷにも弱点がいくらかある。まずは、一部特例を除き私鉄は乗れない、ということ。当たり前のことだが、JR以外の京王線東京メトロ小田急線や東武線などの私鉄や第三セクターには乗れない、というものである。そして、もう一つの弱点は、一部特例を除き「優等列車・新幹線には乗れない」というものである。つまり、前述したように、普通列車および快速列車にしか乗ることはできない。仮に特急券の料金を払ったとしても、別途その区間の運賃は必要となる。ただ、それらの弱点はあれども、一日どれだけ移動しても2370円で済んでしまう青春18きっぷは、乗り鉄にはうってつけの切符だと言えるだろう。

時は8月の後半。
私は、青春18きっぷを一回分余らせていた。この余った一回分でどこへ行こうか。一回分というのはなかなか厄介で、一日で往復できる範囲でしか使うことが出来ない。必然的に近いエリアになるわけである。
さて、ここで突然ではあるが、私は「駅メモ!」という位置情報系ソーシャルゲームをプレイしている。このゲームは……と説明を行うのが通常の筋ではあるが、ここを見に来られる方(そもそもおられるのか?)の殆どは駅メモで遊んでおられる方だと考えられるので、割愛する。そう、私は駅メモの傍ら乗りつぶしを行っているのである。
と、なると。当然まだ行ったことのない路線に乗りに行くのが定石であろうと考えられる。とはいえ、この時点である程度近所を制覇していた私は、どこへ向かうか苦慮することになる。どうやっても自宅から往復できる範囲で大きく新駅を稼げる場所がほぼないに等しい。私は岡山を拠点にしているが、この時点で中国・四国地方は全部獲得してしまっており(いわゆるマスオブ)、近畿地方であれど日帰り範囲内で乗りに行けるJR路線はほとんど獲得してしまっていた。頭を抱えながら地図を見ていると、ふとある路線が目に留まった。
紀勢本線」それは、三重県亀山駅から和歌山県和歌山市駅まで、紀伊半島の沿岸を長々と走り続ける路線。私は、この時点で紀勢本線はノータッチであり、大きく駅数を稼げることが予想できた。

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そのため、照準をここに合わせたのだが、次なる問題が発生した。すでにお気づきと思うが、日帰りが出来ないのだ。何とも悩ましい。こんなにも数多く新駅が取れるのに、一回分しか残っていない青春18きっぷでは不可能だ、と。
私は考えた。考えに考えて、そしてこれを打破する方法を思いついた!
それは、拠点から明石駅まで、始発が出る前に自家用車で向かい、遠征後に明石駅から自家用車で帰宅する、というパワープレイ。これを思いついた際の私は本当に自分を天才だと思っていた。冷や水かけて目を覚ましてやりたい。
兎にも角にも、これでプランは決定した。

決定したプランは、以下のものである。

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朝4時49分明石駅発、翌日1時6分着。我ながら頭が悪いとしか言い様がない。結局日を跨いでいるじゃないか、とお叱りを受けるかもしれない。しかし、そこは天下の関西圏、なんと明石駅は日付が変更されたとしても終電まで青春18きっぷが有効だという特例があるのだ(例外あり、詳しくは「電車特定区間」でググってみて下さい。私も詳しくは理解していないので説明は省きます)。正直それを知るまでは私も頭を抱えていたが、それを知った今、すでに怖いものはない。遠征日程を2019年9月2日と定め、私はイメージトレーニングに励んだ。